問われる大学の対応

2000年に駿台教育研究所が大学1年生を対象に行った「大学の講義に関するアンケート」の結果をみると、「大学の講義が理解できない」「ついていけなくて困っている」と回答した学生は、理科系の数学分野で41・7%、物理分野で36・7%にのぽっている。さらに、これらの学生に授業の理解度を聞いてみると「ほとんど理解できない」と回答した学生が、数学で29・7%、物理で43・6%にも達している。「半分程度は理解できる」という回答を加えると、数学、物理ともに8割を超える学生が理解不十分という結果になった。ある大学で学生に関する次のような話を聞いたことがある。「授業中先生が話していることが一つも理解できない。授業では教室にただすわっているだけ、とても苦痛である」。大学の授業にまったく対応できない学生が、今すでにキャンパスにあふれ出してきている。高校までの基礎も身につけていない彼らが、大学のむずかしい講義を聞いて、はたして理解できるものなのだろうか。そしてこのような学生たちは、授業どころか大学に嫌気がさして、退学していくという。このような学生たちをどのように教育していくか、今、大学の対応が問われている。
[参考]東北芸術工科大学デザイン工学部